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Netflixで見れるタイの国民的ドラマ「運命のふたり」が最高に面白い!感想と解説

      2019/11/08

Netflix 運命のふたり

Netflix(ネットフリックス)にて 2019年10月より全15話が配信開始されているタイのドラマ「運命のふたり」。タイ語音声/日本語字幕。吹き替えはありません。

タイ語のタイトルは「ブッペーサンニワート(บุพเพสันนิวาส)」 。2018年にタイのTV局チャンネル3で放送され大ヒットしたドラマです。2018年度タイのGoogle検索キーワードでも「ブッペーサンニワート」が1位になりました。

このドラマは、アユタヤ朝時代の史実をベースにしたドラマで、舞台となったアユタヤは観光客が増加したりとタイで社会現象になったそうです。

カンボジアや中国でも放送され人気が高かったそうです。

「運命のふたり」とは

「運命のふたり」予告編動画

บุพเพสันนิวาส | เร็วๆ นี้ | Ch3Thailand

あらすじ

大事故にあった考古学者の魂は17世紀のタイに飛ばされ、性悪な貴女の体に入り込んだ。別人の体で高貴な生活を始めた彼女は、周囲を驚かせながらも魅了してゆく。

https://www.netflix.com/title/81106659

ドラマの時代背景

このドラマの時代背景を大まかにですが解説します。

アユタヤ朝第29代の王、ナライ王時代の史実をベースにしたドラマ。

アユタヤ朝の首都(現在のアユタヤ)は3つの川が合流する島状の地点にあり、河口から100kmほど内陸に位置していたが船で遡上が出来たので、港市国家として繁栄した。

交易品は、アユタヤの自然豊かな後背地で生産・調達できる「米・蘇木(スオウ)・香木(アガーウッド)・鹿や水牛など動物の皮・象牙」など。この他に、エイの皮や生きたゾウなども輸出していたとドラマの中では言っていました。

対外交易の全盛期には34の諸外国人が居住していたとのこと。琉球王国や日本とも交易があり、アユタヤには日本人町が存在し最盛期には1,000~1,500人の日本人が居住していた。

ナライ王

アユタヤ朝(1351~1767年)第29代の王。在位1656~1688年。

前国王プラーサートーン王が1656年に崩御、ナライの兄チャオファー・チャイが即位。ナライが2日で叔父スタムマラーチャーと王位を奪いスタムマラーチャーが即位。その2ヶ月後ナライが王位を奪い自ら即位。

アユタヤの他に、アユタヤの北に位置するロッブリーに都を建設しアユタヤ王国第2の都とした。ナライ王はアユタヤよりロッブリーを好んでいたらしい。

ドラマの中でナライ王が登場するほとんどのシーンは、ロッブリーの王宮だと思わる。ドラマではラボ、ラヴォ、レヴォと翻訳がまちまちで字幕表記されるが、すべてロッブリーのこと。ドラマを見るかぎり、当時はロッブリーのことをラヴォ(ละโว้)と呼んでいたと思われる。

港市国家アユタヤの繁栄

ナライ王の時代は政情が安定し、港市国家としてアユタヤの繁栄が頂点に達した時代。

世界中からもたらされた品々に溢れ、繁栄する都の様子や王室独占交易による莫大な財と強大な権力を享受するナライ王の姿を当時のアユタヤを訪れた外国人が描写している。

しかし、同じく独占交易を目指したオランダ東インド会社との間には常に緊張関係があり、武力対立が発生する事態も生じた。

外国人を王国の役職に

諸外国人が多く居住していたアユタヤ。ナライ王は外国人の要人を王国の役職に登用。外国人官僚の多くがナライ王の直属で、軍事・通商などの面でタイ人官僚の持たない能力を発揮し、王権の強化に貢献した。その最たる例が、ナライ王に寵愛を受け国政を左右するほどの権力を握ったギリシャ人のコンスタンティン・フォールコン。

タイ人官僚の中には、外国人を役職に多く登用することを快く思わない者もいて不満を募らせていたとのこと。

文化も繁栄

文化的にもルイ14世王朝のフランスとも交流するなどし文芸が盛んとなり、ナライ王の時代はタイ古典文学最初の黄金時代と言われている。ドラマで劇を鑑賞するシーンがあるがタイ古典劇もこの時代全盛だった。

また、ナライ王は西欧からの科学技術に興味を抱き、天文学を学んで日食や月食の観察を行った。

カラケー役:ラニー・ケームペーン(ราณี แคมเปน)

愛称:BELLA(เบลล่า)
生年月日:1989年12月24日
職業:俳優・モデル
Instagram:bellacampen

イギリスとタイのハーフ。カラケー(การะเกด)役と歴史を学ぶ大学生ケスラーン(เกศสุรางค์)役の2役を担当。

ドラマの中では「メーイン・カラケー(แม่หญิงการะเกด)」と主に呼ばれている。現在のタイ語では「メー」は母、「イン」は女性を意味する単語。当時の女性に対して使われる敬称(様、さん)だと思われる。

参照元:wikipedia「ราณี แคมเปน」

デート役:タナワット・ワッタナプート(ธนวรรธน์ วรรธนะภูติ)

愛称:POPE(โป๊ป)
生年月日:1982年12月27日
職業:俳優
Instagram:popezaap

ドラマの中では「ポー・デート(พ่อเดช)」と主に呼ばれている。現在のタイ語では「ポー」は父を意味する単語。

カラケーからは「クン・ピー(คุณพี่)」と呼ばれている 。現在のタイ語では「クン」は2人称の敬称(さん・様)、「ピー」は兄もしくは親しい間柄の年上の敬称(さん・先輩・兄さんなど)。

参照元:wikipedia「ธนวรรธน์ วรรธนะภูติ

ドラマの官位制度の名称

ドラマの中では、伯爵・子爵などの爵位が用いられています。役職の階級を表すものと思って見ればいいかなと思います。位が高い順だと、
公爵 > 侯爵 > 伯爵 > 子爵 > 男爵

アユタヤ朝の官位制度

当時のアユタヤ朝の官位制度を「バンダーサック(บรรดาศักดิ์)」と言います。位が高い順だと、
チャオプラヤー > プラヤー > プラ > ルアン > クン > ムーン > パン > ナーイもしくはムー

タイ語で表記すると、
เจ้าพระยา>พระยา>พระ>หลวง>ขุน>หมื่น>พัน>นาย หรือ หมู่

参照元:wikipedia「บรรดาศักดิ์ไทย

「運命のふたり」全話見た感想

最高に面白いです。

日本語吹き替え版をNHK BSあたりで放送すれば、日本でもヒットするポテンシャルはあるんじゃないかと思います。

大げさな演出(頻繁に挿入される効果音や挿入歌、多用されるスローモーション)が多分にあって、最初は少し抵抗がありますが慣れてくると、それらの演出を待ってる自分がいました。

1話が約2時間で全15話なんですが、1話目の最初の15分くらいは苦痛でしかなかったのですが、もうそのあとはずーっと楽しかったです。慣れてくると没入感がハンパないです。

それと、このドラマ基本ラブコメです。なので気楽に見れます。でも大河ドラマの要素もあって重厚な部分もあるので時代劇が好きな方も楽しめると思います。

日本のドラマだと、現代の医者が江戸時代にタイムスリップするドラマ「仁」にテイストは近いかなと思います。

恋愛ドラマ、ましてやラブコメなんて滅多に見ませんが「運命のふたり」は最高に面白かった。

オススメです!

最後に

史実をベースにしているドラマなのでナライ王の時代の歴史を知っているとネタバレになってしまう部分もありますが、日本の時代劇ドラマなどと同じで歴史を知って見る面白さは、このドラマにもあります。

主役の女性カラケー以外の主要人物は、すべて実在もしくは実在したとされています。ですので、アユタヤ朝の歴史やナライ王時代の歴史を知ることはドラマをより深く楽しく見ることの助けになるかと思います。

また、タイの伝統文化や風習、食文化やタイ語の知識があるとより楽しめます。タイ語の「こんにちは」や「元気ですか?」を知ってるくらいの旅行者レベルでOK!楽しめます。もちろん、タイ人とタイ語で会話が可能なくらいのレベルならもっと楽しめるはずです。

ですので、気になった言葉が出てきたらスマホで調べなが見るのもいいかと思います。

でも、タイ語タイトルのカタカナ表記「ブッペーサンニワート」やタイ語タイトル「บุพเพสันนิวาส」では検索して調べないでください。

大ヒットしたドラマなのでネタバレしている画像や動画を見てしまうかも知れません。私は、しっかりネタバレを見てしまったのでご注意を。

ドラマを見終わってからガンガン検索しましょう。 私は 「บุพเพสันนิวาส」 で検索して、いろいろな動画などを見て「運命のふたり」ロスを癒やしています。

参考書籍・参考サイト

物語タイの歴史―微笑みの国の真実 (中公新書 1913)
タイ事典 日本タイ学会 (編集)
タイの歴史 (世界の教科書シリーズ)
東南アジア史〈1〉大陸部 (新版 世界各国史)
タイ検定―ASEAN検定シリーズタイ検定公式テキスト
wikipedia「บุพเพสันนิวาส

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